What's Djembé Music?

西アフリカの個性的な楽器たち。

西アフリカには、日本の皆さんにもよく知られているジェンベの他にも、
個性的な楽器がたくさん存在しています。その一部をご紹介します!

Djembé (ジェンベ/ジンベ/ギンベ/ジャンベ)

 「Djembé(ジェンベ)」というのはフランス語による呼称で、伝統的なマリンケ語では「ジンベ」や「ギンベ」と呼ぶ。かつては村のいくつかある御神木からつくられ、御神木に宿る精霊との交渉や、木を切り倒し太鼓をつくるための綿密な儀式が執り行われていた。マリンケ族の人々にとってジェンベは単なる楽器ではなく、すべての人々の魂と魂を繋ぐ聖なる太鼓である。
 木の幹からつくられる胴体部分は丁寧にくり貫いてあり、足部(筒状の部分)から低音が抜けるようになっている。上面のみが打面になり、打面にはかつて羚羊(アンテロープ)の
皮を用いたが、現在は山羊(やぎ)の皮を張るのが主流。打面は毛を剃りあげ
て仕上げる。ジェンベの演奏は素手で行い、両手を使ってさまざまな音とリズ
ムを創り出す。基本の音としては、「カンッ!」と突き抜けるような高音域の音、
「トゥンッ」と低音掛かった中音域の音、「ドン〜」とお腹に響くほどの重低音域
の音、の3つがある。達人(マスター)と呼ばれる人になるとジェンベを使って話
をすることができ、変幻自在のメロディをまるで魔法のように奏でる。
※Djembé Fola(ジェンベ・フォラ):

Dounoun (ドゥヌン)

 3つの異なる大きさのものがあり、大きなものからそれぞれdounun(ドゥンヌン)、sangban(サンバン)、kinshidini(キンシディニ)と呼ぶ。※呼び名は地域や部族によって異なります。
 一番大きな胴体と深い低音を持つのがdounun(ドゥンヌン)、中位がsangban(サンバン)、最も小さいものがkinshidini(キンシディニ)あるいはkenkeni(ケンケニ)と云う。この3つを総称してDounounba(ドゥヌンバ)と呼ぶ。マリンケ族の村ではDounounba(ドゥヌンバ)専用の特別な木を用いて作る。胴体部は木の幹をくり貫いた筒状になっており、その両面に牛の皮を張っている。
 演奏者は、片手に木の撥(ばち)を持ち打面を鳴らすと同時にもう一方の手で
鉄製のベルを鳴らしリズムを刻む。ドゥンヌン、サンバン、キンシディニの三つは
大きさや名前が異なるだけでなく、それぞれに役割があり、その中でもっとも重要な
役割を担うのがサンバンである。また、それぞれに異なるリズムを演奏して
三つで一つのメロディを作り上げる高い音楽性も特徴のひとつ。
 面白いことに、そのメロディは人の声や動物の鳴き声などを模倣して
生み出されていることが多い。アフリカ独特のとても自由度が高くかつ
複雑なリズムと、三位一体を可能にするための高いコミュニケーション
能力を必要とする。
 Dounounba(ドゥヌンバ)こそがジェンベ音楽の要と言っても言いすぎではない。
※Dounun Fola(ドゥヌン・フォラ)

Griot (グリオ) Djéli / Djali (ジェリ/ジャリ)

 文字を持たないアフリカの文化の中で生まれた、歴史を記す歌唄いのこと。歌のスペシャリストであり、西アフリカ特有の存在でもある。その能力は多様性に富んでおり唄うことで、1人の人間の生き様、先祖代々の歴史、人々が大地に刻みつけてきたもの…身辺に起きたありとあらゆる出来事を記憶し人々に伝えることのできる歌人たちである。歌の能力は超高度で、かつ機転を必要とし、聴衆に笑い・涙・勇気を与えることのできる特殊な技能を持つ。
 マリンケ社会においてGriotの担う役割は大きく、他に代わるものがない稀有の存在といえる。彼女たち(あるいは彼ら)は歴史家であり、人生に忠告を与えるアドバイザーであり、揉め事を解決できる仲裁人である、と同時に、人々を讃える歌い手であり、様々な物語の語り部でもある。唄うことで伝説や伝統を維持していくGriotの能力と技術は、家系・世代を通して代々継承されてゆく。 Griot(グリオ)のことをマリンケ語では、「Djéli(ジェリ)」あるいは「Djali(ジャリ)」と呼ぶ。それは「血」を表す言葉であり、脈々と受け継がれてゆく道程を意味している。

Karinyan (カリニャン/カリヤン)

 女性のGriot(グリオ)=Djali(ジャリ)が歌を唄うときに使用する鐘(ベル)。「カンカラ♪カンカラ♪カンカラ♪カンカラ♪」と鳴らしリズムをとる。数百年も前から存在すると云われている、とても古い楽器。

Balafone (バラフォン)

 西アフリカで生まれた木琴。男性のGriot(グリオ)によって用いられ、彼らによって代々継承されてきた歴史を持つ。打楽器でありながら、メロディ楽器でもある西アフリカを代表する楽器のひとつ。。
 Balafo(バラフォ)という硬質でとても響きのでる木を板状に加工し、音階順に並べてある。それぞれの木板の下には瓢箪がぶら下がっており、木板の音を拾って響かせる増幅器(スピーカー)の役割を果たしている。さらに、この瓢箪にはちょっとした仕掛けが施してあり、木の響きそのままの音ではなくザラザラとした複雑な音の響きがでるようになっている。
 また、Balafone(バラフォン)を演奏するための2つの撥(ばち)もとても重要で、演奏者は厳選されたものを使う。非常に複雑な音楽性を持つため専門的な
知識と経験を必要とするとても高尚な楽器。
 歴史的にはBalafone(バラフォン)がヨーロッパに
伝わり西洋楽器マリンバが生まれたという背景も見
逃せない。
※Balafone Fola(バラフォン・フォラ)

Cora (コラ)

 世界で最も美しい音楽を奏でることのできる21本の弦楽器。 両手(正確には6本の指)で21本の弦を爪弾き、どこまでも果てしない幻想的なアフリカ世界を創り出す。その圧倒的な音楽世界に聴く人々はいつしか完全に惹きこまれてしまう。男性のGriot(グリオ)によって伝承されてきたCora(コラ)は、歌と共に演奏されることが多い。
 その起源はとても古く、かつては王宮・王族に仕えたGriot(グリオ)によって用いられていた。
圧倒的な演奏技術と同時に歌まで唄うCora(コラ)奏者の音楽世界は
完璧なまでにアフリカ的である。また聴く者の魂を異世界にまで
連れて行けるその技量はBalafone(バラフォン)と同じく
おそろしいまでに高度である。
※Cora Fola(コラ・フォラ)

Bölön (ボロン)

 マリンケ族に古(いにしえ)から伝わる3本弦のベース楽器。とても原始的なつくりで巨大な瓢箪と木と革でできている。胴体部分は大きなひょうたんを貼り合わせあり、その上から山羊(やぎ)の皮で包み込んである。指で弾く3本の弦は、革紐でできており西洋楽器ウッドベースを凌ぐほどの深く・豊かな・重みのある低音を奏でることができる。胴体自体が増幅器(スピーカー)の役割を果たし
ななめ上横にある大きめのひとつ穴から増幅された音が出てくるようになっており
たいへんよく響く。
 伝統的には男性のGriot(グリオ)の楽器。お葬式やお守りを作る儀式など
特別な席で歌とともに演奏されてきた。
西アフリカ各地には、ボロン独自の音楽がいくつも存在し
共同体の中で静かに、厳かに、次の世代へと受け継がれて
いる。
※Bolon Fola(ボロン・フォラ)

Foulé (フレ/フルート)

 ただいま作成中です!

Tama (タマ/トーキング・ドラム)

 ただいま作成中です!

Gongoma (ゴンゴマ)

 ギニア・コナクリで生まれた。瓢箪とノコギリの刃でできている鍵盤楽器。
3〜4本のノコギリ弦を爪弾き、歌とともに演奏される。
鋼鉄の刃と瓢箪の響きが絶妙な感じでミックスされ、心地よい。

Shekele (シェケレ)

 ただいま作成中です!

Kudén (クデン)

 ただいま作成中です!

Dyi Dounun (ギ・ドゥヌン)

 瓢箪を水に浮かべた瓢箪の太鼓。「Dyi(ギ)」とはマリンケ語で「水」のこと。Dounun(ドゥヌン)※上記参照のこと。と呼ばれるように低音、それも超低音の楽器である。
 水に浮かべた小さい瓢箪を叩くとその音が水を入れた大きな瓢箪に伝わっ
て響く。瓢箪の音が水によってエフェクト(音響加工)されると聴いたこともない
ような不思議な音に生まれ変わって響き渡る。まさにアフリカン・マジックである。
 主に女性が演奏し、演奏するときは大きさの違うDyiDoununをいくつか用いて数人で合奏する。

Wassanba (ワサンバ)

 木の枝を加工してつくった棒に、瓢箪の縁を切り取った輪っかをはめこんである。
瓢箪の輪っかは下にいくほど小さく、上にいくほど大きくなっている。
振ることで瓢箪の輪っかが重なり音が出る。音はかなりインパクトが
あり大きい。
 子どもたち(男の子)が儀式で使う楽器。
 両手に持ちダンスとともに用いる。
 大人数で使用するため、演奏にはあうんの呼吸と感性の高さが要求される。

Krín (クリン)

 森林部族の楽器。木を3方向からくり抜き、3〜4種類の音が出るようになっている。木の棒を2本使い両の手で演奏する。

<後記>
◆マンディング族(マリンケ族)の音楽性◆

 例えばギニア地域にくらすマンディング族(マリンケ族)のジェンベ音楽は、ジェンベ伴奏1〜2人、ドゥヌンバ伴奏3人、そして1人のジェンベ・独奏者という編成で演奏されるのが一般的。しかし、これは決まりではなく、地域や状況に応じて様々な編成がある。そのためギニアの地域、マリの地域、セネガルの地域、コートジヴォアールの地域、ブルキナファソの地域など住んでいる場所によってスタイルがまったく異なる場合が多い。リズムの呼名やリズム自体が異なる場合も多々ある。

◆Folá(フォラ)◆

 「Folá」とはマリンケ語で「話す」の意。文字通りジェンベを使って話すことができる演奏者を讃えた尊称が「Djembé Folá (ジェンベ フォラ)」ということになる。しかし一般的には、日本語でいう「達人」 や、英語で意味するところの「 Master」として使われることが多い。 本当の意味での「Djembé Folá 」は希少かもしれない。
inserted by FC2 system